言語・コミュニケーション

言語・コミュニケーション領域は、子ども達が学校や社会生活をおくるうえでとても大切な領域です。自己表現や他者との関係構築、学習や問題解決の基盤となります。言語能力が発達することで、感情のコントロールや協調性が高まり、社会的な適応力が向上します。

このような困りごとはありませんか?
  • 言いたいことがうまくまとめられない
  • 「カバン取って」と言われても、どのカバンか分からず戸惑う
  • 自分の言いたい事だけを一方的に話してしまう
  • たとえ話が伝わらない
  • 目上の人や大人の人にも友達のような口調で話しかけてしまう
  • 作文が書くのを極端にいやがる
  • ことばの表現が乏しい
  • 不満に思っていることが言葉で表現できず、癇癪を起こす

言葉による表現が乏しく、自己表現が苦手で、相手の言葉も字義通り受け取ってしまい文脈が読めずに会話が続けれられない場面があります。「話聞いてる?」「何回も同じことを言わせないで」など叱責されると本人の自己肯定感が損なわれてしまいます。誤った対応がストレスやフラストレーションを引き起こすと、問題行動が悪化したり学習意欲もなくなり生活の質そのものが落ちていく「二次障害」を引き起こす可能性があります。

「二次障害」は発達障害などの特性によって周囲から誤解されたり、うまく適応できなかったりすることで、強いストレスや心の負担が積み重なり、後から現れる精神的・行動的な問題 のことです。

困りごとの背景にあるもの
  • 言葉の意味を一つずつ理解するのに時間がかかる
  • 周りの音や動きが気になりすぎて、話が耳に入ってこないことがある
  • 衝動を抑える力(自己制御)が未発達で一方的に話してしまう
  • 感覚過敏・感覚鈍麻がある
  • 感情のコントロールが難しく、ストレスに対処できない
わたしたちの支援の工夫
  • 視覚的支援を活用する(絵カードや身振りを加え言葉の理解を深める)
  • 短い説明で的確に指示する(長い説明は伝わりにくい)
  • ロールプレイで練習する(会話ややりとりをゲーム感覚でシミュレーション)
  • 順番を決めて活動する(会話のキャッチボールを理解する)
  • リラックスできる環境を整える(失敗しても大丈夫という安心感)
  • 成功体験を積み重ね、自信を持たせる他者との関わりで楽しさを味わう

言語・コミュニケーションの発達は、適切な支援と環境の調整によって大きく向上します。それぞれの子どもの特性に応じたサポートを行い、無理なくスキルを伸ばせるようにすることが重要です。

児童発達支援の5領域