健康・生活

健康・生活領域は、子どもが自立して生活できる力を育むために重要な発達領域の一つです。子ども自身が 自分の健康を守り、安全に生活できるようになること を目標としています。年齢や発達に応じて、少しずつ自立を促しながら支援することが大切です。

このような困りごとはありませんか?
  • 道路で急に走り出してしまう
  • ゲームばかりして朝起きれない
  • 忘れものばかりする
  • 服のボタンが留められない
  • 使ったものを片付けることができない
  • 自分の持ち物の管理ができない
  • 同じものしか食べられない

発達障害のある方は感覚鈍麻(感じにくい)や感覚過敏(感じやすい)の差が激しく、日常生活においてもさまざまな場面で、体も気持ちも、とても疲れています。疲れていても本人は気が付かず、自分は疲れているんだという自覚がないこともよくあります。なので、適度な休憩をとったり、ペース配分を考えたりすることができずにヘトヘトに疲れ果ててしまい、他人から見ると「さぼっている」「怠けている」「甘えている」ととらえられてしまい、トラブルになることもよくあります。

本人はとても頑張っているのに、いつもまわりから「やる気がない」「聞いていない」と叱られ責められるため、ささいな言葉に突然キレたり、激昂して他害や自害をしてしまったり、何もやる気が起こらず日常生活でお風呂や歯磨きをしなくなったり、いわゆる「二次障害」という状態になり、本人も周りの人も非常に困難な状況に陥ってしまいます。

「二次障害」は発達障害などの特性によって周囲から誤解されたり、うまく適応できなかったりすることで、強いストレスや心の負担が積み重なり、後から現れる精神的・行動的な問題 のことです。

困りごとの背景にあるもの
  • 感覚が過敏すぎたり鈍すぎたりして、ストレスがたまりやすい
  • 「ちゃんとする」など抽象的な表現が分かりにくい
  • 「疲れた」という感覚がわかりにくく、限界まで頑張ってしまう
  • 常に叱られることで自己肯定感が低くなり、やる気を失う
わたしたちの支援の工夫
  • 頑張らせ過ぎない
  • 完璧、理想ばかりを押し付けないで小さなできることを重ねる
  • 「休憩タイム」を意識的に作り、リラックスできる時間を確保する
  • 「疲れたときのサイン」を一緒に考え、休めるようにする
  • 否定する言葉を減らし、「できたこと」を認める声かけを増やす
  • 特性に応じて課題設定し、できる方法を一緒に見つけること
  • 周りの環境を整え、少しずつ成功体験を増やすこと
  • 「どうすればできるか」を子どもと一緒に考え、取り組むこと

「二次障害」を引き起こしてしまう前に、特性を持つ子どもへの適切な支援と関わりを持つことが重要です。

児童発達支援の5領域